ひと昔前に「エンジニア」と聞くと、メーカーで自動車や家電製品・精密機器などを設計する仕事を指すことが多かったのではないでしょうか。
しかしITが広く普及した現在、情報処理の世界でもエンジニアは必須の職業であり、「エンジニア=ITエンジニア」という認識へと変化しつつあります。

ITエンジニアの中でもインフラエンジニアの需要は、ITシステムを導入する企業の増加により年々高まり、案件が多いことからより多くの人材が必要で、インフラエンジニアの求人募集も増加傾向にあります。

今回はITエンジニアの中でも注目されている「インフラエンジニア」に着目していきましょう。

インフラエンジニアの果たす役割

「ITエンジニア」と聞くとまずは「システムエンジニア(SE)」を連想される方も多いかもしれません。しかし、ITの世界には他にも様々な技術職があります。その1つが「インフラエンジニア」です。

インフラとは?

そもそも“インフラ”とは直訳すると「基盤」という意味です。例えば水道や電気、ガスなどは現代人にとって生活していくうえでなくてはならない存在ですよね。そのようななくてはならないものをインフラと言います。

では、ITの世界ではどうでしょう。

よく言われることですが、パソコンは存在するだけではただの“箱”にすぎません。パソコンを制御するためのオペレーション・ソフト(OS)が組み込まれ、さらに文書作成や表計算など必要な仕事を行えるソフトウェアをインストールし使えるようにして初めて便利な道具として利用できます。

ネットワークエンジニアとサーバーエンジニア

インターネットが普及した現代ではネット接続も必須と言えます。インターネットを介さなければメールの送受信もWebページの閲覧も検索サイトの利用もできません。そしてインターネット接続に関連する業務を担うのが「ネットワークエンジニア」です。

またWebサイト表示をはじめネットワーク上で何かをするためには、サーバーも欠かせません。サーバーはデータを保管したり、ネットワーク経由のリクエストに応じ対応データの提供を行ったりするコンピュータのことをさしています。そしてサーバーに関わる業務を担うのが「ネットワークエンジニア」です。


企業におけるインフラエンジニア

企業においてインフラエンジニアは、どのような役割を果たしているのかを、ネットワークエンジニアを例にとって見ていきましょう。

ネットワークとは網の目のようにコンピュータを繋ぐことです。例えば自宅で1台もしくは数台程度のパソコンを使用している場合ならば、ネットワークを組む必要はありません。

仮に3台のパソコンを1度にインターネットへつなげても、その接続を担うルーターにかかる負荷はかなり小さいからです。また狭い事務所で数人がパソコンを使っていて意志疎通を図るだけならば、ネットを経由しメールやチャットツールを使わなくても、話しかければ済む場合も多いでしょう。

しかしある程度以上の規模を持つ企業や大学の場合を考えてみてください。仮に100人が同時に同じルーターを使ってインターネットに接続するとどうなるでしょう。ルーターの規模や性能にもよりますが、システムダウンするまでに至らなくてもかなりの負荷がかかり挙動が不安定になることは充分に考えられます。
このように様々な状況を想定したネットワーク構築・運用することで、トラブルを防ぎやすくなる可能性があります。

またネットワークを構築すれば、円滑なコミュニケーションにも繋がります。例えば会議室の空き状況の確認と予約、チーム内の情報やスケジュールの共有なども可能です。これにより仕事を効率化できるでしょう。このようなネットワークをLAN(Local Area Network/ローカルエリアネットワーク)と呼びます。

ネットワークエンジニアの主な業務は、LANの設計・構築・運用・メンテナンスだと考えてよいでしょう。


インフラエンジニアになるには?

ところで、インフラエンジニアになるにはどのような方法があるのでしょう。

まずはインフラエンジニアを目指し、独学や通信教育で必要な知識を身に付けるという方法があります。必須資格はありませんが、有名な関連資格がいくつかありますので、まずは取得を目指してみるのも良いかもしれません。

インフラエンジニアは常に人手不足ですから、教育制度を整えて自社内でインフランジニアを育成している企業もあります。しかし必ずしもインフラエンジニアの部署に配属されるとは限らないこともあり、注意が必要です。

そして専門学校に通って学びインフラエンジニアを目指すという方法もあります。就職についても学校のアドバイスを受けられるというのも、この方法の強みではないでしょうか。


インフラエンジニアに必要なスキル

インフラエンジニアには大別してサーバーエンジニア、さらにネットワークエンジニアという技術者が存在します。それぞれ担当する業務は異なっていますが、どちらもITの基盤に関わる設計・構築・運用・メンテナンスを行うという点では共通です。

そしてインフラエンジニアには、次のような能力が求められます。

プログラミング能力など

インフラエンジニアとして仕事をする上で、プログラミング言語・セキュリティなどに関する知識や能力は必須です。さらに専門分野に合わせサーバーやネットワークに関する知識も必要となってくるでしょう。

コミュニケーション能力・ヒアリング能力など

社内の人間やクライアントとは広く付き合っていく必要があります。そのために欠かせないスキルがコミュニケーション能力やヒアリング能力などです。

サーバーでもネットワークにしろ、社内の人間やクライアントが何をしたいのかをヒアリングを行いながら導き出し、業務効率をアップできるシステムを構築できる要件定義をまとめなければならないからです。時にはクライアントの誤りを正すことも必要でしょう。しかも相手を論破するディベートは客商売ですから厳禁。あくまでも納得してもらいながらより効率的なシステムを提案するアサーション的なコミュニケーション能力でなくてはなりません。

また、どれ程優れたシステムでもクライアントの提示する予算をオーバーしてしまうことは出来ませんから、経済的な観念を持ち予算内で最適のシステムを提示できる提案力も問われるでしょう。

プロジェクトマネジメント能力

さらにある程度以上キャリアを重ねると、プロジェクトマネージャーとしてスタッフ全体に的確な指示とケアを行う能力も必要です。さらに進行管理を行い、決められた日数でプロジェクトを完成させる進行管理能力も必要になってきます。

もちろん、スペシャリストとして最前線に留まり続けるという選択も可能です。


まとめ

IT業界は「マウスイヤー」と言われるほど技術革新のスピードが速い業界です。ですから常に業界の情報についてアンテナを張り巡らせる好奇心を失わないことも、インフラエンジニアに限らずこの業界で働く上で重要といえるでしょう。

現状に安心しきって新情報や最先端の技術の習得を怠ると、たちまち時代遅れのエンジニアになってしまいますから、常に勉強が必要な仕事と言えます。

また、当然ですがサーバーやルーター、OSなどの知識は常に更新していく必要があります。現在であればIT業界で常識となりつつあるのが、「クラウド」です。

クラウドとは日本語に翻訳すると「雲」という意味。具体的にはパソコンなどの端末にソフトウェアをインストールするのではなく、必要に応じてインターネットに接続して使用するソフトウェアを利用することが最も多いですが、最近ではサーバーや情報システムを稼働させる機材やネットワークをインターネット上で提供するサービスも存在します。

そのためインフラエンジニアはクラウドを組み込んで、予算をはじめとするクライアント。社内の要望をふまえつつ、より使い勝手が良くて効率的かつセキュリティがしっかりとしたシステムを構築する必要があるのです。インフラエンジニアにとって新しい時代に突入したといえるでしょう。

この記事を書いた人

株式会社アイエスエフネット

エンジニアと共に成長し続けるITインフラ企業です。

ITインフラエンジニアの育成に力を入れ、クラウドなど時代のニーズにあわせたソリューションを展開しています。また、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関係なく、あらゆる方々がやりがいをもって働くことができるダイバーイン雇用に取り組んでいます。

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