インフラとはインストラクチャーの略であり、基盤のことをいいます。インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、システムにおける基盤となるものの設計、構築、運用、保守作業までをおこないます。
そのためインフラエンジニアが対応する業務は幅広いことが特徴です。そのため、サーバーエンジニアやネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアとそれぞれの分野に分けて呼ばれることもあります。
インフラエンジニアの需要は、ITシステムを導入する企業の増加により年々高まり、案件が多いことからより多くの人材が必要で、インフラエンジニアの求人募集も増加傾向にあります。
そのため条件によっては、未経験からでもインフラエンジニアを目指すことができます。
▼目次
未経験でもインフラエンジニアになれる理由とは
エンジニアは一般的に経験が必要な業務です。しかし、インフラエンジニアは保守・運用案件が多いだけではなく、人手不足の状況が続いています。そのため経験の浅い人材であっても採用される傾向にあります。
保守運用案件が多い
2021年に商工中金が4,890社にアンケートをしたところ、さまざまな部門において以下のようなITを導入していることがわかりました。
ITシステムを常に稼働させるためには、24時間監視を行うインフラエンジニアが保守・運用することが重要になります。保守・運用案件が多いだけではなく、24時間対応することが前提になるため、より多くの人手が必要になります。
スキルの高い人材が必要なのは間違いないのですが、初動の対応だけでもできる人材がいることでプロジェクトの負担は小さくなります。保守・運用案件は今後も増加することから、インフラエンジニアの案件がなくなることはまずありません。
人手が不足している
インフラエンジニアは慢性的に人手不足の状態です。人手不足の原因として以下が挙げられます。
- システムエンジニアを目指す新卒の中で、インフラエンジニアを目指す人が少ない
- 深夜の業務があるため、システムエンジニアはきついイメージがある
- 24時間対応のため多くの人材が必要
システムエンジニアを目指す人の多くは、業務系や開発系のエンジニア職を希望することが多いのが特徴です。インフラエンジニアは24時間対応できついイメージがあるうえに、障害対応が多く、あまり目立つ仕事ではないのが人材不足の理由です。しかし、これは未経験でも採用される可能性が高いことを意味しています。
未経験からインフラエンジニアになるためにすべきこと
未経験からインフラエンジニアになるためには、基礎的なITスキルやインフラ、設計、構築などの知識を専門学校やオンラインスクールなどで身につける必要があります。経験がない分、資格を取得して知識があることを証明することも重要です。
専門学校に通う
基礎的なITのスキルや知識を身につけるためにも、未経験の場合は専門学校に通うことをおすすめします。特にインフラエンジニアになると目標が決まっている場合は、インフラエンジニア向けのコース選択をおすすめします。
専門学校によっては、実務と変わらないスキルを身につけることができる学校や、就職までサポートしてくれる学校があります。
インフラの知識が必要
インフラエンジニアはサーバーやネットワークなどインフラの構築、運用、保守作業を行うことからインフラの知識は必須です。
資格の取得
未経験であれば、実力を証明するためにも資格取得が必要です。インフラエンジニアになるための資格はありませんが、資格を取得することで、十分な知識を持っていることをアピールできます。
資格を取得しておくと、実務経験と同等の評価をされる場合もあります。
- 情報処理技術者試験
IT業界のなかで最も認知度が高い資格で、基本情報技術者と応用情報技術者があります。応用情報技術者は、基本情報技術者と違い後半の試験は記述式となるため、より難しくなります。
応用情報技術者試験ではテクノロジー関連やプロジェクトマネジメント、法務関連の問題も出題されます。 - ネットワークスペシャリスト
応用情報技術者試験よりさらに高度な資格が、ネットワークスペシャリストです。ネットワークシステムの設計、構築、保守までの知識が問われるため、インフラエンジニアの仕事に直結する内容の資格です。 - データベーススペシャリスト
データベースの設計、構築、保守までの知識が問われる資格です。保守ではセキュリティ面においてもくわしい知識が必要であるため、インフラエンジニアのなかでもデータベースエンジニアを目指すのであれば取得したい資格です。
設計構築の経験
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどさまざまな設計や、構築を行います。そのため設計や構築の経験が必要です。設計や構築の経験をプログラミングスクールや他の現場で経験をしておくとインフラエンジニアになってもその経験を活かすことができます。
インフラエンジニアがおすすめな人
インフラエンジニアには、ルーティン作業を黙々とこなすことができ、細かいミスに気づくことができる人が向いています。さらにクライアントとのやりとりやチームで動くことが多いため、コミュニケーション能力が求められます。
さまざまなシステムに対応することから、パソコンを組み立てた経験があるというような、日頃からパソコンに慣れ親しんでいる方も重宝されます。
ルーティン作業をこなすのが得意な人
まだ経験が浅いインフラエンジニアは、資料作成を主としたルーティンワークを任されることが多いです。しかしルーティンワークをこなしている際に、経験からスキルを身につけることにより、スキルアップにつなげることができます。
ロジカルシンキングができる人
インフラエンジニアにはインフラの設計、構築、運用すべての行程において効率的に業務を進めるために、ロジカルシンキング(論理的な考え方)が必要です。例えば、サーバー構築をする場合には構築する順番を先に考え、完成から逆算して最適な手法を選ぶことが大切です。
インフラエンジニアの経験を積んでプロジェクトリーダーになった際には、プロジェクト全体のことを考える必要があるため、これまで以上にロジカルシンキングが求められます。
細かいミスに気が付くことができる人
インフラの設計や構築は、少しのミスで正常に動作しないことがあります。インフラが正常に動作をしないことで、多くのユーザーに迷惑をかけてしまいます。そのため設計や構築、動作テストを行うときに、細かいミスに気づくエンジニアが求められます。
コミュニケーション能力がある人
インフラエンジニアは個人ではなく、チームで業務を行うことがほとんどです。また依頼者とコミュニケーションをとらなければ正しい業務ができません。
チーム内の個人スキルが高くても、コミュニケーション能力が低ければ効率的に業務を進めることができません。
まとめ
インフラエンジニアは未経験でも転職することができます。インフラエンジニアの需要が高まっているうえに、24時間対応が必要であることから多くの人材を必要とします。さらにインフラエンジニアは対応する幅が広く、求められるスキルは常に変化します。そのため常時人材不足の状況です。
必要なスキル、知識があれば未経験であってもインフラエンジニアに転職できるチャンスがあります。今後もインフラエンジニアには高い需要が見込まれることから、十分なスキルを身につけることができれば職に困ることはありません。