パソコンは“機械”として存在するだけではただの“箱”に過ぎません。OS(Operating System)とよばれる基本ソフトがあり、さらに文書制作に必要なワープロ・アプリケーション、表作成などを行えるアプリケーション、メール・アプリケーションなどがインストールされることで、はじめてさまざまな仕事を行うことができます。

システムもこれと同じで大型のサーバーを用意するだけでは何の役割もはたしてくれません。どういう業務を行うのかというシステムの要件定義にもとづいて構築・設計されてはじめて稼働し、システムダウンなどを起こさないように監視・運用・保守を絶えず行う必要があります。これらの業務を行うのがインフラエンジニアであり、まさに縁の下の力持ち的な存在といえるでしょう。

そんなITインフラエンジニアですが、市場の拡大に伴い年々需要が高まっておりインフラエンジニアの求人募集も増加傾向にあります。

今回はそんなインフラエンジニアのキャリアパスを解説します。

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需要が高まるインフラエンジニア

いまやパソコンを使用しないで一般のデスクワークを行うことは出ないように、システムがなければ企業がビジネスを継続・発展させることはできないといっても過言ではありません。

たとえば製品を製造する工場を想像してみてください。ラインには人手が必要ですが多くの部分はコンピュータによって自動制御されています。また、流通小売業では品切れが起きないため、各店舗へどういう商品を何時、何個補給するかを常に考えなければなりませんが、これも今ではPOSレジと連動したシステムにより運用されています。

ですからこの流れが続く限り、インフラエンジニアの需要は高まることはあっても減ることはないといえるでしょう。

しかしいきなりインフラエンジニアとして採用されるのは知識を持っていても難しいのが現実。重要なものだけに実績が問われるからです。このためインフラエンジニアになるためにはそれなりのキャリアパスが必要になってきます。ここではインフラエンジニアを目指すキャリアパスの例をご紹介しましょう。

監視業務やヘルプデスク

もしあなたがインフラエンジニアを目指すならば、まずインフラ監視業務かヘルプデスクに就くのが定石といえるでしょう。システムは通常365日24時間稼働していますから、監視業務やヘルプデスクはそれに対応する必要があります。ですからシフト制が基本です。職場によっては夜勤もあります。

監視業務ならば異常を発見したら速やかに保守要員へ連絡を行い、どういう異常かをITの専門用語を交えて説明し、なおかつ異常の原因と思われるシステムエラーを伝えなければならないので、システムのインフラについての知識が必要です。技術革新が速いIT業界では常に勉強が欠かせないこともあり、確実に実務経験が

一方、ヘルプデスクはシステムを利用しているお客様からの質問に対し、操作方法に関する問い合わせなのか、システムトラブルに関する苦情なのかを的確に判断してそれにどう対応するかを伝えなければなりません。必要ならばやはり保守要員へ連絡を取りトラブル対応を依頼しなければならないので、やはりインフラに関する幅広い知識が身に付きます。

保守業務

ある程度ヘルプデスクや監視業務での経験を積んだら、次にステップアップとして目指すのが保守要員です。監視業務やヘルプデスクと違い、実際のトラブルシューティングを行うわけですから、より深いシステムに関する知識とスキルが求められます。保守要員を経験することで、より使いやすくトラブルを起こしにくいシステムとはどういうものかという具体的な知見を蓄積することができるでしょう。

システム設定・構築業務

そしていよいよ次のステップアップではシステムの設計・構築の仕事です。システムエンジニアとしての“本業”といえるのはここからといえます。設計・構築ではどのようなシステムを顧客が必要としているのかをヒアリングによって的確に把握することが第一歩。ヘルプデスクでの顧客対応で身に着けたコミュニケーション能力が役立つはずです。

さらに3つの選択肢が存在

ここまでがインフラエンジニアになるためのキャリアパスです。そしてその後はITスペシャリストとして進んでいくか、プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーとして現場のゼネラリストになるか、インフラエンジニアとして培った知識とスキル・経験を活かし外部からアドバイザーとして活躍するITコンサルタントを選ぶかという3つの選択肢があります。

どの道へ進むかは自分の性格をしっかりと見つめることが必要でしょう。コツコツと1つの仕事に打ち込むことが好きならばITスペシャリストがやはり適任といえます。調整能力や進捗管理、交渉力に優れているならばプロジェクトマネージャーが向いているといえそうです。また、多くの分野のシステムに興味があり同時に複数の仕事に携わりたいのならばITコンサルタントを目指すのもよいでしょう。


キャリア形成に有利な資格

最近はオンプレミスという自社内の設備にシステムを構築して運用する方式から、インターネット経由で必要なアプリケーションを適宜使用するクラウドシステムへの移行が起こっています。自社でサーバーを用意して運用するよりもランニングコストの低減が図れる可能性がある他、さまざまなアプリケーションをシステム変更なしに使用できるというメリットがあるためです。

ですからインフラエンジニアはクラウドに関する知識と、どういうアプリケーションを頻繁に必要とするのかを聞き出し、クラウドを組み合わせることが要求されるようになってきました。また、インターネットというオープンな環境を利用するわけですから、セキュリティに関する知識も豊富にしておく必要があります。さらに知識やスキル・経験を持っていると証明すれば、キャリアパスを構築する上でも有利です。

インフラエンジニアに関する資格の例

そこでお勧めしたいのが各種の資格。主に以下のようなものがあります。

  • CCNA(Cisco Certified Network Associate)
    ベンダー資格のひとつで、ネットワーク機器ベンダーであるシスコシステムズが主催している認定資格。
  • ITパスポート
    経済産業大臣の名によって実施される情報処理技術者試験で国家資格。
  • LPIC
    カナダのNPO法人Linux技術者認定機関「LPI」が認定する、世界最大規模のLinux技術者認定試験。レベル1~3の3段階に分けられており、最も難しいレベル3は、分野が3つ用意されている。
  • ORACLE MASTER
    アメリカのソフトウェア会社Oracle Corporationが認定する、オラクル社製品の知識を証明するもの。知名度が高く、世界で通用する国際資格。

その他、身に付けると有利な知識

クラウド化が進んできた現在、その流れに対応するための知識も大切です。現在、一般的に利用されているAmazonが提供するAWS、Microsoftが運用するAzure、Googleが構築したGCPなどクラウド環境についても知っておくことが必要となります。

またプログラミングの知識もインフラエンジニアにとって必須となりつつあります。クラウドサービスでは、PythonやRubyといったLL言語が使用されることが多いので、これらの言語についても学んでおきましょう。


まとめ

インフラエンジニアはキャリアパス次第ではかなりの年収が望めますし、社会の基盤を担う仕事なので達成感もあります。求められる知識やスキルが高く、技術革新が起こるので、常に情報感度を高く保ち新しい知識やスキルを磨かなければなりませんが、その努力に見合う年収と仕事に対する誇りを持てる可能性があるのがインフラエンジニアです。

この記事を書いた人

株式会社アイエスエフネット

エンジニアと共に成長し続けるITインフラ企業です。

ITインフラエンジニアの育成に力を入れ、クラウドなど時代のニーズにあわせたソリューションを展開しています。また、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関係なく、あらゆる方々がやりがいをもって働くことができるダイバーイン雇用に取り組んでいます。

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