IT業界を担う職業であるエンジニアは、高い技術が求められ、今後も人材の需要が高まると予測されます。そのため、「現在、ITエンジニア職に就いているが、更に高みを目指し、より必要とされる現場で働きたい」と考える方も少なくありません。

市場の拡大に伴い、エンジニアの需要も年々高まっており、開発エンジニアの求人やインフラエンジニアの求人募集も増加傾向にあります。

ここではエンジニア職の種類・仕事内容・将来性をご紹介します。また、インフラエンジニアを例にあげて転職のポイントについても解説いたします。

ITエンジニアの将来性は?

2022年現在、ITエンジニアはどの業種においても非常に将来性のある職種です。ITの技術は2000年代に突入して以来、常に進歩と革新を続けており、今やほとんどがIT技術の恩恵を受けている企業だと言っても過言ではありません。

IT技術が必要とされる以上、基盤を支え、生産に関わるエンジニアの力は必要不可欠であり、これまで以上に高い技術が求められます。クラウド・ネットワーク・サーバーに関わるインフラエンジニアはもちろん、業務系システムエンジニアの需要も今後より一層高まると考えて間違いないでしょう。


ITエンジニア10種類ピックアップ

今回はITエンジニアを大きく3分割し、計10種類をピックアップいたしました。
それぞれの業務内容や、必要とされる技術をしっかりと把握しておくことで、いざ転職やキャリアアップを検討する際に大きく役立つかもしれません。

システムエンジニア

「システムエンジニア(SE)」は、製品をつくるにあたってクライアントからの要望を受け、システムの開発・設計を行うエンジニアです。

製品をどう作るかを考えて設計書を書き、プログラマに指示を出すというのが主な業務内容となります。またプログラマが作った製品に対し、設計した通りに作られているかチェックをすることもあります。

予算の管理や人員の選定など、プロジェクト全体のマネジメントを担当するプロジェクトマネージャーや、開発現場寄りの立場から先導を行うプロジェクトリーダーは、キャリアパスにおいてシステムエンジニアの上位職とされています。

インフラエンジニア

インフラという言葉は基盤という意味を持ち、「インフラエンジニア」はその名の通り、ITツールが動くための基盤を構築するエンジニアです。

インフラエンジニアにも多くの種類がありますが、基本的にシステムの裏側や土台を扱うことが共通した業務内容です。
今回はインフラエンジニアの中から、クラウドエンジニア・ネットワークエンジニア・サーバーエンジニア・データベースエンジニア・セキュリティエンジニア・バックエンドエンジニアをご紹介いたします。

■クラウドエンジニア

オンプレミスなど物理的に存在するものではなく、インターネット上の実態がないものの中にシステムを構築したり、データを保存したりする技術をクラウドと呼びます。そのクラウドの保守・運用・構築・設計などを行うのが「クラウドエンジニア」の役割です。

離れた場所にある端末から同じデータを共有でき、サーバーを社内に設置する必要がないなどの理由から、クラウドサービスは昨今急激な広がりを見せています。
そのためクラウドエンジニアの需要も高まり、非常に人気の高い業種です。
クラウドエンジニアは、これから紹介するようなネットワークやサーバーなど、幅広い知識が必要なため、すでに何かしらのインフラエンジニア職に就いている方が経験を活かして転職することも多いです。

■ネットワークエンジニア

「ネットワークエンジニア」は、企業内のネットワークシステムや、企業間をインターネットでつなぐシステムを専門に扱うエンジニアです。
Windows Server・UNIX・その上で動作するデータベース・グループウェアなどの知識が必要とされます。

ネットワークエンジニアの主な業務内容には、「ネットワークの運用・保守・監視(ネットワークを構築した後の設定変更・トラブル対応・故障の修理)」、「ネットワーク設計・構築 (ネットワーク回線やソフトウェアの設計・構築・テスト)」があります。
業務経験が非常に重視される業種のため、まずは監視・保守の経験をしっかりと積み、そこから設計・構築へとキャリアアップするのが一般的です。

■サーバーエンジニア

サーバーとは、WEB上のサービスをユーザーに提供するため情報を蓄積したり、アクセスに対して情報を送信する装置のことを指します。
WEBサイトを閲覧する際は、まずサイトのサーバーを経由し、サーバーに格納されている情報がユーザーに提供されます。
そのようなサーバーの構築や管理を専門に行うのが「サーバーエンジニア」です。

サーバーエンジニアの主な業務内容としては、「サーバーダウン・ハッキング・セキュリティ更新などへの対応」、「処理能力(コストや容量など)を考慮した上でのサーバーの設計」、「サーバー機器や周辺機器の設置」などが挙げられます。

■データベースエンジニア

インターネット上における、データベース製品を専門に扱うエンジニアを「データベースエンジニア」と呼びます。
ネット上のデータ保管用倉庫であるデータベースを常に整理し、必要なデータがすぐ見つかるよう構築・運用するのが主な業務内容です。

近年は、ビッグデータ(ビジネスに利用される膨大なデータ)の活用が広まっており、データベースエンジニアの需要も非常に高まっています。
SQLをはじめとするデータベースに特化した特殊な言語はもちろん、Oracleなどのデータベース製品に関する知識も必須となる業種です。

■セキュリティエンジニア

情報セキュリティに特化した業務を行う「セキュリティエンジニア」も、インフラエンジニアの一種です。
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃を未然に防ぐため、セキュリティはもちろんサーバー・ネットワークに関する幅広い知識を持っている必要があります。

また日々生み出されるスパイウェアに迅速に対応できるよう、持っている情報を常にアップデートすることも大切です。

■バックエンドエンジニア

「バックエンドエンジニア」は、WEBサイト内におけるサーバーやデータベースといった、ユーザーから見えない部分を担当するエンジニアです。

サーバーエンジニアやデータベースエンジニアと重複する業務内容が多いものの、バックエンドエンジニアは「WEBに特化している」という点から、他の2つと差別化される傾向にあります。
データベース・サーバー・プログラミングなど、WEBには欠かせない幅広い知識が必要な業種です。

開発エンジニア

「開発エンジニア」に関しては、プログラマ・フロントエンドエンジニア・組み込みエンジニアの3つに分けて解説いたします。

■プログラマ

「プログラマ」はシステムエンジニアの指示を受け、その設計書をもとにシステムやソフトウェアを組むプログラミングを行う業種の総称です。
プログラマは設計書通りに製品を制作する正確さ、バグやエラーを起こさない技術の高さ、納期内に作り上げる仕事の素早さなどが求められます。

プログラムの構築に使用するプログラム言語(コンピュータを作動させるための言語)にはさまざまな種類があります。
自分が目指す方向性によって、習得すべきプログラム言語はある程度決まっていきます。もしくは既に習得している言語にあわせて進路を決めるのも良いでしょう。

■フロントエンドエンジニア

「フロントエンドエンジニア」は、先述したバックエンドエンジニアとは逆に、WEBサイト内のユーザーから見える範囲を担当するエンジニアです。
デザインやアニメーション再生などを担当するため、PHP・JavaScriptなど、WEBを制作する上で欠かせないプログラミング言語の知識が必要とされます。

また、UIに関する知識やデザインセンス・レスポンシブ(PC・スマートフォン・タブレットなどのデバイスに合わせて、ページのレイアウトやデザインを最適化する技術)に対する造詣の深さも必要です。

■組み込みエンジニア

「組み込みエンジニア」は「エンベデッドエンジニア」とも呼ばれ、家電製品・車などの機械製品にプログラムを組み込む業種を指します。あらゆる状況を想定し、その製品に必要な機能のプログラムを作成することが主な業務です。

製品として世に出回るものを主に扱うため、WEBのように後からプログラムを修正することができない難しさを持ち、状況を想定する能力と、扱うハードウェアに関する専門的な知識が求められます。


ITエンジニアが転職する際のポイントは?

ここではITエンジニアが転職するにあたって、行うべきことや注意点をまとめました。

まずはキャリアデザインを設計する

ITエンジニアに限らずどのような職種でも、転職を検討する際にはまず、「キャリアデザイン」の設計から行います。
キャリアデザインとは、目指すべきキャリアに対しての、明確な目標設定や行動計画のことです。

キャリアデザインは、まず自己分析から始めます。現状の自分自身の分析はもちろん、そこに至るまでの過程などをしっかりと踏まえます。そのうえでIT業界の動向予測も加味し、将来的な自分の理想像をイメージします。
あまりに遠い未来だとイメージが難しくなってしまうので、3・年先を目安にすると良いでしょう。・

イメージした自分の理想像が目指すべき目標です。設定した目標と現状の自分を照らし合わせれば、足りない部分、すなわち目標達成に必要な課題が明確になります。

習得している技術を活かせるかどうかを確認する

既に習得している技術を、強みとして活かせるかどうかも重要なポイントです。

例えば、現在ネットワーク系のインフラエンジニア職に就いている方が、今後需要が更に高まると考えられるクラウドエンジニアへの転職を検討する場合、まず課題としてあげられるのは、クラウドにまつわるさまざまな知識の習得でしょう。

AWS(Amazon WEB services)・Azure・GCP(Google Cloud Platform)といったポピュラーなクラウドサービスの知見や、OSとアプリケーションの間で動くミドルウェアに対する技術、サーバーやネットワーク仮想化の技術などは学習して身につける必要があります。

一方ネットワーク系のインフラエンジニアとして培ってきた、ネットワークの設計・構築・トラブルシューティング・保守などの知識は、クラウドエンジニアにとっても必要な要素であるため強みとして活かすことが可能です。

技術や知識を得るための学習をする

目標が定まり課題が明確になったら、どのように学習するかを考えます。
学習方法としては、「書籍や専門サイトを利用した独学」または「スクールの利用」が一般的です。

書籍や専門サイトを利用した場合、学習のコストがあまりかからず、自分のペースでじっくりと体系的に学べるのがメリットです。一方でモチベーションの維持が難しく、わからないことがあっても質問できる相手がいないというデメリットがあります。

スクールを活用すると、メンターのサポートによって高い学習効果を見込めると同時に、業界の動向などさまざまな情報を収集できるメリットもありますが、相応の受講料が発生します。

どちらが自分にとって相応しいか、よく検討してから取り掛かりましょう。

また学習内容によっては、得意不得意や難易度によりすぐに習得できるものから数ヶ月、もしくは数年かかるものまで、さまざまあるため、学習方法はもとより学習の順序やタイミングに気を配ることも重要です。


まとめ

今回はITエンジニアの種類や、ITエンジニアが転職するポイントについて解説いたしました。
転職するにあたっては、IT業界の今後の動向をしっかりと推測し、自身が持つ技術・知識、課題を整理することが近道となります。
現状を整理することで、学ぶべきスキルも自ずと見えてくるはずです。

この記事を書いた人

株式会社アイエスエフネット

エンジニアと共に成長し続けるITインフラ企業です。

ITインフラエンジニアの育成に力を入れ、クラウドなど時代のニーズにあわせたソリューションを展開しています。また、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関係なく、あらゆる方々がやりがいをもって働くことができるダイバーイン雇用に取り組んでいます。

エンジニアの転職や資格取得、DEIなどについて、役立つ情報を発信しています。

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