さまざまなIT系のベンダー資格がある中、最も有名なのが「LPIC(エルピック)」だといっても過言ではありません。国際標準の資格であるため、この資格を持つことで海外でもスキルをアピールし、活躍する機会を得られる可能性もあるでしょう。

有資格者を積極的に採用しているIT企業は顕著であり、LPIC取得者が多数活躍するインフラエンジニアの求人募集もあります。

この記事では、IT系資格の中でも、認知度の高いLPICの特徴や試験関連の情報、一般的な勉強方法などをお伝えしていきます。Linux技術の証明となる新しい資格「LinuC(リナック)」との違いも解説しますので、皆様の参考になれば幸いです。

LPICとは?

LPICとは、サーバー分野で人気のOS「Linux(リナックス)」関連の技術を認定する資格で、正式名称は「Linux Professional Institute Certification(リナックス プロフェッショナル インスティチュート サティフィケイション)」です。

IT系ベンダー資格は数多く存在していますが、最も取りたい資格と言われているのがLPICだといっても大げさではありません。その理由はLPICには歴史があり、海外でも通用する国際的な資格であることも関わっているでしょう。2023年現在、LPICはカナダが拠点のLinux Professional Institute(LPI)が母体です。日本での運営はLPIの日本支部が担っています。

この資格を取得して活躍したいと考えた場合、まずは試験を受けて合格しなければいけません。初級レベルの「LPIC-1」から最高レベルの「LPIC-3」まであり、段階を踏んでの受験が必須です。最上位のLPIC-3まで達することで、高度なLinux技術を持つエキスパートであることの証明となるでしょう。

LPICは世界的に名の知れた資格であり、日本においても例外ではありません。日本ではエンジニアの就職・転職の条件としてLPICを掲げている企業も多く、需要の高い資格といえます。

Linuxの基礎

LPICは「Linux」に関する技術を認定する試験です。ここでは、Linuxの特徴について見ていきましょう。

Linuxとは

Linuxとは、OS(オペレーションシステム)の一種です。Linuxはサーバーや組み込み分野で高いシェアを誇る他、クラウド環境でも重宝されています。

なお、PCにおけるOSは基本となるソフトウェアのことであり、一般的にはWindowsやmacOSがメジャーです。一方で、OSS(オープンソースソフトウェア)であるLinuxは無償で公開されている上に自由に改良できる点、改良・開発のみならず、新たにカスタマイズして再配布するなども可能な点がメリットです。


Linuxの特徴

Linuxの主な特徴は以下の通りです。

  • 無償で利用できる(導入コストが低い)
  • 新たなOSを開発できる
  • ソースコードを自由に書き換えられる(カスタマイズが可能)

Linuxは必要最低限の機能のみが備わったOSです。そのため非常に軽く、古いデバイスや低スペックのものでも比較的スムーズに稼働する傾向にあります。

さらに、Linuxは、安全面で優れたサーバーを低コストで自由に構築できることも特徴の一つです。企業で使用されることも多いため、セキュリティの高さは大きなメリットであると言えますね。

ただし、Linuxには公式サポートが存在しないため、トラブルの際は各自で対処しなければなりません。また、一般的な周辺機器やソフトが作動しない、使えないこともあります。

例えば、ビジネスシーンで欠かせないOfficeソフトの定番「Microsoft Office」は使えません。もちろんLinuxのソフトウェアのなかにも互換性のあるツールが存在するため代用は可能ですが、少々不便に感じることもあるかもしれません。

また用語やシステムが独特である点も押さえておくべきでしょう。

意外に多くのデメリットがあるように感じますが、それ以上にメリットも多いLinux。デメリットをクリアしつつ、メリットを活かしながら運用する必要があります。LPIC取得を目指す過程で身に付けた知識は、Linuxを運用するためにも役立つはずです。


LPIC取得のメリット

Linuxに関する専門知識が認められることで、さまざまなメリットがあると考えられます。ここでは、LPICを取得することで期待できるメリットをみていきましょう。

  • 自身のスキルアップにつながる
  • 就職・転職に活かせる

自身のスキルアップにつながる

一般的なOSとは異なる特徴を持つLinuxの知識を身に付けることは、自身のスキルを向上させることに役立ちます。

実際に業務でLinuxを使用しているエンジニアの方も、仕事内容によっては知識に偏りが出てしまうこともあるでしょう。このような場合でも、合格に向けて学習することでLinuxの知識が網羅できるため、確実にスキルアップにつながります。

またLPICには3段階のグレードがあり、上を目指すには段階を踏んでチャレンジすることが必要です。上のグレードを目指すために学習を続けることで、間違いなくスキルアップができるでしょう。

就職・転職に活かせる

LPICは就職・転職にプラスに働くこともあるため、エンジニアのキャリアアップに欠かせない資格であると言えるでしょう。

人材を採用するにあたり、企業がエンジニアにこの資格を求めることも多い他、LPIC取得を新入社員の研修のゴールとする企業もあります。

またLinuxはサーバー分野のシェアの高さやクラウド環境でも役立つOSです。そのため高度なLinux技術を身に付けることで、企業のサーバーエンジニアやクラウドエンジニアとして採用される可能性も期待できるでしょう。

関連ページ:LPICは役立つ資格?転職に有利な理由や企業が注目するポイントを解説


「LPIC」と「LinuC」、どちらを選ぶべきか

LPIC同様、Linuxに関する技能を認定する試験に「LinuC(Linux Professional Certification)」があります。

LinuC(リナック)は、かつて日本でLPICの運営を担っていた団体が2018年に新たに始めた資格です。LPICは国際標準の資格である一方、LinuCは日本市場に特化した資格となっています。

試験のレベルや各レベルで必要とされる知識に関して大きな違いはないと言われていますが、どちらにするか迷っているという方もいらっしゃるでしょう。

どちらを取得してもLinuxに関する専門的な知識の証明になることは間違いなく、エンジニアとして業務に就く上では有利に働くと考えられます。強いて言えば、LinuCは歴史の浅い資格であるため、現時点ではLPICの知名度の方が高く、就職・転職には若干有利となる可能性があります。

もっとも大きな違いは「国際標準の資格か、日本向けの資格か」ということになりますので、自身のキャリアプランに合った資格を選んでみてください。


LPIC試験の勉強方法

一般的に資格試験の勉強と言えば、参考書や問題集を使った勉強ですが、LPICも例外ではありません。参考書などを選ぶ場合は、試験レベルや現在のスキルに合わせて選ぶことがポイントです。

書籍の他、オンラインツールを使ったりスクールに通ったりする方法もあります。ここでは、LPIC受験に効果があると言われる勉強方法をご紹介します。

  • オンライン学習サイトを活用する
  • スクールで学ぶ
  • 繰り返し問題を解く

オンライン学習サイトを活用する

さまざまなIT系の資格に対応した、オンライン学習サイトを利用するのもオススメです。試験に対応した問題が用意されているサイトもあり、中には無料で利用できるものもあります。

オンライン学習サイトは、日常的利用しているスマートフォンやタブレットなどを使って勉強できるツールなので、通勤や通学時間を利用して勉強したいという方にはピッタリです。

スクールで学ぶ

参考書やオンライン学習サイトを使った勉強、いわゆる「独学」以外には、スクールに通って学ぶ方法もあります。

スクールに通うメリットはより短期間での合格が目指せるという点です。また、実際の実務に応じた使い方なども学べるため、実務経験が浅いという方はスクールで学ぶことを検討してもよいかもしれません。

独学で学ぶよりも費用はかかりますが、より効率よく学びたい方にはスクールで学ぶ方法も検討してみると良いでしょう。

繰り返し問題を解く

どのような方法で学ぶとしても、資料に目を通すだけでは実際の試験問題には対応できません。そのため模擬問題などを繰り返し解くことがポイントとなります。

参考書などで一通りの知識が身に付いたら、あとは徹底して問題を解いていきましょう。題実際の試験で固まらないためには、一度のみならず二度三度繰り返すことが重要です。


LPIC資格試験の概要

LPICにはグレードがあり、それぞれの試験が行われます。ここではLPIC試験がどのように行われるのか、主にLPIC-1(レベル1)の試験内容やその特徴などをご紹介します。

  • 受験要件
  • 試験時期・試験会場
  • 試験内容・出題範囲
  • 出題形式・問題数など
  • 難易度
  • 合格ライン
  • 資格の有効期限

受験要件

LPIC-1(レベル1)の場合、とくに受験要件は定められていません。年齢や学歴・経歴などの制限はなく、誰でも受験できます。

ただしLPIC-2(レベル2)、LPIC-3(レベル3)の受験に関しては、下位の試験での合格が条件となります。

試験時期・試験会場

試験は随時申し込みが可能です。所定の機関を通して申し込み手続きができ、日程も自由に選択できます。全国各地にあるテストセンターで受験できる他、試験によってはオンライン受験が可能です。

試験内容・出題範囲

LPIC-1では2つの試験を受験します(101試験・102試験)。同時に受けても別々に受けても、どちらを先に受けても構いません。ただし5年以内にどちらも合格しなければいけないため、その点を頭に入れておきましょう。

101試験では、Linuxの基本的な知識に関する以下のような問題が出題されます。

  • Linuxの仕組み
  • コマンドの文法
  • 仮想マシン
  • コンテナ

102試験では、主に以下の知識に関する問題が出題されます。

  • シェルスクリプト
  • ネットワーク
  • セキュリティ

なおLPIC-2も201試験と202試験、2つの試験に合格しなければいけません。またLPIC-3は300試験、303試験、304試験の3つの分野に分かれています。LPIC-3については全てに合格する必要はなく、どれか一つに合格することでその分野のエキスパートとして認定されます。

出題形式・問題数など

パソコンを使用する「CBT方式」の試験で、選択問題と記述式の問題が出題されます。101試験、102試験どちらも試験時間は90分、問題数は60問です。

難易度

受験するにあたり、最も気になるのがそのハードルの高さではないでしょうか。試験の難易度については公表されていません。しかし、ベンダー系資格においてLPIC-1は初級レベルであり、新入社員や経験が浅いエンジニアにとって、インフラエンジニアになるための登竜門の資格であると言えます。弊社の新入社員が取得のために費やした平均勉強時間は76時間程度、勉強期間は平均41日でした。短期に集中して時間が取れる場合など、勉強開始から2週間で取得した事例も複数あるため、一概に言うことはできませんが、平均勉強時間や期間を参考にすると、難易度が想像でき、資格取得のための計画が立てやすいでしょう。

どの資格試験もそうですが、実務経験の有無よりも試験対策(受験勉強)が十分であったかどうかにかかっています。問題を繰り返し解くなど、万全の準備をした上で受験することが大切です。

合格ライン

LPIC試験の合格点は500点となっています。全体の20%ほどは難解な問題があるため、残りの80%をどの程度正解できるかがカギとなっています。なお合格率は基本、公表されていません。

資格の有効期限

LPIC-1に関しては、5年間で2つの試験(101・102)の合格が必須です。このことを踏まえると、LPIC-1に関しては5年という「資格取得までの期限」があると考えて良いでしょう。

そもそもLPICそのものには有効期限がありません。しかし、その資格の「有意性」には期限が設けられています。その期限は5年です。

Linux関連の最新技術を有している証明となるのがLPICです。日々進歩するIT技術に対応するには、資格保有者の知識もアップデートしていかなければいけません。そのためにもこの資格には5年という期間が定められているのです。


まとめ

LinuxOSの専門的な知識を認定する国際標準の「LPIC」は、IT業界でも人気が高い資格です。Linuxは企業のサーバー用OSとして高いシェアを誇っていることもあり、LPICは企業に求められています。そのため、LPICを持つエンジニアは就職・転職にも有利となるでしょう。

LPICを取得したいなら、まずは入門レベル「LPIC-1(レベル1)」の取得を目指します。参考書や問題集、オンライン学習サイトを活用し、繰り返し問題を解いてしっかりと対策していきましょう。

さらに「LPIC-2(レベル2)」「LPIC−3(レベル3)」を取得するには知識のアップデートも必要です。これらの上位資格を取得できれば、転職や就職で有利に働きやすいでしょう。

この記事を書いた人

株式会社アイエスエフネット

エンジニアと共に成長し続けるITインフラ企業です。

ITインフラエンジニアの育成に力を入れ、クラウドなど時代のニーズにあわせたソリューションを展開しています。また、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関係なく、あらゆる方々がやりがいをもって働くことができるダイバーイン雇用に取り組んでいます。

エンジニアの転職や資格取得、DEIなどについて、役立つ情報を発信しています。

全国2000名以上のITインフラエンジニアが活躍する
アイエスエフネットでは一緒に働く仲間を募集しています。
「エントリーを検討する」「まずは話を聞いてみたい」方はこちらへどうぞ

まずは会って話を聞いてみる

カジュアル面談

採用関連の情報を受け取る

キャリア登録