
ISF NETを知ったきっかけや、入社を決めた理由は?
“ダイバーイン雇用”を掲げていたからです。
応募前から、アイエスエフネットがLGBTQIAに理解があることを知っていました。トランスジェンダーである自分が、ここならオープンにできると感じたんです。実際、書類選考の時点でカミングアウトしましたが、とても自然に受け入れていただけて安心しました。
ダイバーイン雇用:就労において制限や配慮が必要な方に対し、安心して働ける環境を創造し提供する取り組みのことです。ダイバーインとは、ダイバーシティとインクルージョンを掛け合わせたアイエスエフネット独自の造語で、あらゆる人に、多様な雇用で「働く喜び」や「生きがい」を感じてもらうことを目指しています。
前職との違いを感じたポイントは?
前職は工場勤務で、更衣室やトイレは“男性用”と“女性用”の2択しかなく、どちらを使うのも毎回ストレスでした。周囲との会話も「男だからこういう話をしても大丈夫だよな」といった言葉が飛び交う環境で、自分を偽って過ごすしかありませんでした。
今の職場では、自分の状況をオープンにできていて、それが非常に大きいです。誰かに説明しなくても自然と理解してもらえて、必要な配慮も受けられる。心の負担がぐっと軽くなりましたし、「ようやく普通に働ける場所に来られた」という安心感があります。
ISF NETでの働きやすさを実感したエピソードはありますか?
社員一人ひとりがLGBTQIAに対して理解を示してくれていると感じます。それに加えて、福利厚生の面でもしっかりとサポートがあり、とてもに助かっています。
私は現在、2週間に1回ホルモン注射を受けているのですが、打ったあとは副作用でぐったりしてしまって、1日まるごと動けなくなることもあります。アイエスエフネットでは「特別休暇」という制度があって、月に1日、その治療のために休めるのがとてもありがたいです。
前の職場では、有給を使うか、土曜日に無理して注射を受けて、翌日も体調が悪いまま出勤…ということもありました。今は会社の制度としてサポートがあるので、治療に向き合いやすくなり、気持ちの面でも安心して働けています。

ワーキングネームを使えることについてはどう感じていますか?
気持ちの面でも、将来に向けた準備としても、とても大きな意味があります。
職場で自分が望む名前を使えるというのは、思っていた以上に気持ちが楽になるものです。名前は、自分の存在をどう認識してもらえるかにもつながっているので、呼ばれるたびに“自分らしくいられる”実感があります。
それに、私は将来的に戸籍名の変更も考えているのですが、ワーキングネームを使っている実績があると、家庭裁判所での手続きの際にもプラスになります。名刺や郵便物、領収書などに名前が使われていることが証拠になるんです。そういう意味でも、会社が正式にワーキングネームを使える環境を整えてくれているのは、本当に助かっています。
ワーキングネーム:職場や仕事上で使用する本名とは別の名前、名字のこと。
今の職場環境で困っていることや、改善してほしい点はありますか?
大きな不満はありませんが、今後の制度面の整備には期待しています。
現時点で大きく困っていることは特にありません。たとえば、現在在籍している支店には男女別のトイレしかありませんが、支店長がテナント側に事情を伝えてくださっていて、安心して利用できるように配慮していただいています。そうした対応があるのはとても心強いです。
今後もし制度面でさらに整備されるとしたら、ワーキングネームを使っている実績を証明できるような仕組みができたら嬉しいです。戸籍名の変更を考えている人にとっては、いつからどのようにワーキングネームを使っていたかという情報が、実際の手続きでとても重要になるので。会社からそうした記録を出してもらえるようになれば、さらにありがたいと思います。
どのようなときにやりがいや喜びを感じますか?
自分らしく働けていると実感できたときに、自然とやりがいを感じます。
以前は「こう見られなきゃいけない」「こう振る舞わなきゃ」というプレッシャーが常にありました。でも今は、自分の名前で呼ばれたり、必要な配慮を当たり前のように受けられることで、「ここにいていいんだ」と思える瞬間が増えました。
そうした環境の中で仕事に集中できると、純粋に業務に向き合う気持ちになれるし、「きちんと働けている」「貢献できている」と感じられる。その感覚が、私にとってのやりがいにつながっています。